国内

排外主義者が韓国店舗イジメる新大久保 地元民の複雑な胸中

 安倍晋三首相は未来の労働人口減少を見据え、移民受け入れ策の検討に入った。しかし移民の受け入れで避けて通れないのが、在日コリアンや在日中国人の問題だ。李明博・前韓国大統領が竹島に上陸した2012年以降は、大阪のコリアンタウン・鶴橋や新大久保でのデモがピークを迎えた。関西ローカル紙の記者が語る。

「昨年、鶴橋の在特会デモに参加した女子中学生が『鶴橋に住む在日クソチョンコの皆さん、いつまでも調子に乗っとったら、南京じゃなくて鶴橋大虐殺を実行しますよ!』と叫んだのには開いた口がふさがりませんでした」

 警察がデモの許可を出さなくなった新大久保では、今年に入りヘイトスピーチは鳴りを潜めている。だが、韓国ショップ店員たちの警戒心は解けず、記者が街の様子を撮影していると30代の韓国人女性に「アナタ、ナニ撮ッテル。ワタシ悪イコトシテル?」と詰め寄られる一幕もあった。

「在特会メンバーは“お散歩”と称し、店頭の商品を蹴飛ばしながら街を練り歩いていた。そしてショップ店員らに『竹島はどこの国のものだ、答えろ!』と食ってかかり、相手がうろたえる姿を動画配信する。抗議ではなくただのイジメです」(ジャーナリストの安田浩一氏)

 そんな光景を見てきた地元民は複雑な胸の内を明かす。

「戦後から住み着いた在日韓国人とは仲良く暮らしていました。彼らは日本に溶け込もうとしていたし、国籍に関係なく仲間意識を持てた。でも、10年ほど前に入ってきたニューカマーに『郷に入っては郷に従え』は通用しない。商店街にある街灯の電気代の負担をお願いしたら、『うちの店の前には街灯がないじゃないか』と逆切れする。付き合いもないし、正直やりづらい」(商店街組合関係者)

 新大久保に30年住む主婦も話す。

「狭い歩道に陳列棚を置いたり大音量で音楽を流したりして迷惑を被っています。でもトラブルが恐くて注意はできません。近所に建った一軒家には複数の韓国人が出入りしてまるで民宿状態です。誰が住んでいるか把握もできないから不安です」

 そう話す地元住民もヘイトスピーチには冷ややかだ。

「苦々しい思いでデモを眺めていたら、その中の1人に『なんや、お前、朝鮮人か!』と因縁をつけられて嫌な思いをした」(60代男性)

※SAPIO2014年6月号

関連キーワード

トピックス

亀梨和也
亀梨和也がKAT-TUNを脱退へ 中丸と上田でグループ継続するか話し合い中、田中みな実との電撃婚の可能性も 
女性セブン
水原問題について語った井川氏
ギャンブルで106億円“溶かした”大王製紙前会長・井川意高が分析する水原一平被告(40)が囚われた“ひりひり感”「手をつけちゃいけないカネで賭けてからがスタート」【量刑言い渡し前の提言】
NEWSポストセブン
ボブスタイルにイメチェンされた佳子さま(時事通信フォト)
「ボブスタイルに大胆イメチェン」「ご両親との距離感」に垣間見える佳子さま(30)の“ストレスフリーな一人暮らし生活”
週刊ポスト
都内のマンションから緊急搬送された小島瑠璃子
「娘は大丈夫、元気です。でも…」小島瑠璃子(31)の母が明かした“困惑” 現場に居合わせた赤ちゃんは無事《夫は緊急搬送され死亡》 
NEWSポストセブン
吉田義男さん
追悼 阪神元監督・吉田義男さんが明かしていた思い「V9時代の巨人に勝てる気はしなかったが、監督として川上巨人を手本にチームづくりしたことはない」
NEWSポストセブン
都内のマンションから緊急搬送された小島瑠璃子(HPより、現在は削除ずみ)
《母親も駆けつけた緊迫の一部始終》第一発見者の小島瑠璃子も救急搬送、現場では「ドンッドンッ」と音が
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《舌、眼球を取り出して…》田村瑠奈被告の母親、遺体損壊を知りながら通報できなかった理由を語る「親としての気持ちがあった」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
都内のマンションから緊急搬送された小島瑠璃子
《小島瑠璃子が緊急搬送》夫の実業家はサウナ事業を展開「オープンしなかった…」「この半年で資本金大幅減」
NEWSポストセブン
新製品
《大騒動》秋葉原のPCショップに300人以上の転売ヤーら殺到…近接する幼稚園への侵入者に職員が「さすまた」で対応する緊迫の瞬間も
NEWSポストセブン
旧5人のメンバー。左から石崎琴美、吉田知那美、吉田夕梨花、鈴木夕湖、藤沢五月(時事通信フォト、Loco Solare)
《崖っぷちのロコ・ソラーレに新メンバー加入!》背景には3つの「切実なチーム事情」 「今季14戦で優勝ゼロ」で五輪3大会連続出場に最大の危機
NEWSポストセブン
事務所『シャシャ・コーポレイション』を40年近く支えてきた小林聡美(左)ともたいまさこ(右/時事通信フォト)
《事務所が昨年末に解散》女優の小林聡美が還暦前に独立『やっぱり猫が好き』考案の社長との別れ、盟友もたいまさこは事実上の引退へ
NEWSポストセブン
“怪演”が視聴者を驚かせ、ネットがザワついた池脇千鶴
《たるんだ頬にメガネ姿》フジドラマで中年女性役を演じる池脇千鶴「生涯ずっと女優でいたい」の怪演
NEWSポストセブン